先日は検査における『感度と特異度』についてお話ししました。
今回は検査の精度・有効性について、もう少し説明をさせていただきます。
検査の精度は疾患の「有病率」と「尤度比(ゆうどひ)」によって左右されます。
尤度比とは
ある事象(病気・疾患)が起きる可能性の大小を示すものとなります。英語表記は”Likelihood ratio”と呼ばれ、こちらの方が意味合いとして理解しやすいかもしれません。
尤度比=疾患ありで検査陽性になる率÷疾患なしで検査陽性になる率であり、いわば感度÷偽陽性率
となります。(*偽陽性率=1−特異度)
上記の式から、分母の偽陽性率が低ければ低いほど、感度は高まるわけです。
大まかに、陽性尤度比が10以上あれば、有効な検査と言われています。
ちなみに、21トリソミーに対するNT肥厚(適切な検査施行時期においておよそ3.5mm以上)の陽性尤度比は16とされています。
執筆 院長