JCSとGCS

患者さんの急変を感知した時は、医療従事者は意識レベルを評価し、脳神経学的異常を判断する必要があります。その評価・スケールとして、一般的には「JCS」と「GCS」を採用されていることが多いです。

JCS(Japan Coma Scale)

日本で汎用されてきたスケールで、救急隊員らも日常的に使用しています。

1桁(1, 2, 3)は刺激しなくても覚醒している状態

2桁(10, 20, 30)は刺激(呼びかけ、痛み刺激)で開眼

3桁(100, 200, 300)は刺激でも覚醒しない

状態を表します。意識レベルとして「問題なし」と言える状態は、JCS 1より意識清明である事が必要です。

急変対応のプライマリーサーベイにおいて、呼びかけに反応がなければ痛み刺激を与えます。刺激に対して発語があれば、気道は開通している(A: AirwayはOK)ということにもなります。

例えば急変時、

・本人に呼びかけるも開眼しない→JCS 20以上

・爪にペンを押し当てる(胸骨を拳で刺激)しても開眼しない→JCS 100以上の可能性があります。

日本神経治療学会HPから

GCS(Glasgow Coma Scale)

開眼(E: Eye opening)

発語(V: Verbal response)

運動機能(M: Motor response)

の3つの要素で意識レベルを評価します。GCSは15点満点が意識レベルとして問題なし、とします。

日本神経治療学会HPから.

例えば

・感染を疑う妊産婦において、GCS 15点未満で「意識変容」があれば、続いて呼吸回数やその他バイタルサインも確認します。

また

・短時間で2点以上減点となれば脳ヘルニアの出現等を疑います。

執筆 院長