ファモチジンの妊娠・授乳中の服用

ファモチジンは胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎などで処方される薬です。商品名は「ガスター®︎」と言えばわかりやすいでしょうか。

実際の処方としては1回20mg, 1日2回(朝・夕食)となります。

作用機序

胃酸は胃の壁細胞にあるヒスタミンH2受容体にヒスタミンが作用することで分泌されます。

ちなみに胃酸の分泌を高める食品は脂肪分の多い物、柑橘類、香辛料、コーヒー・紅茶が挙げられます。

ファモチジンはH2ブロッカーと言われ、作用(ヒスタミンがH2受容体に結合すること)を妨害することで、胃酸の分泌を抑えます。

妊娠・授乳中の服用

一般的にH2ブロッカーは腎機能正常者での副作用発現は低く、まれに血小板減少をきたすことが報告されています。

妊娠中は「有益性投与」です。ただし、催奇形性が報告されていないことから実際の現場では妊婦さんに処方されることはよくあります。褥婦さんにとっても”HALE’S MEDICATIONS & MOTHERS’ MILK 2021″によるとRID(Relative Infant Dose:薬物の新生児へ影響を示す指標)は1.9%とかなり低く「最も安全:L1」の位置づけですので、ファモチジンの内服後に授乳を控える必要はありません。

文責 院長