なぜ超音波検査でゼリーが必要なのか

音は空気を振動させながら波として進んで行きます。振動する回数が多ければ高音となり、それが一定以上に達すると人の耳には聞こえない音となります。これが超音波なのです。

超音波検査機器として人体に当てるプローブは超音波が放射されます。

プローブとの間に空気があると超音波が先に進まないため、その隙間をゼリーで埋める必要があ流のです。腹部超音波ではプローブにゼリーをつけ、経腟超音波ではプローブにゼリーをつけ、さらにゴムをつけて検査を行います。

ゼリーの種類としては粘度や硬さ、アルコールや界面活性剤の有無など微妙に成分が異なります。

当院ではGEヘルスケア・ジャパンの製品を使っており、製造元は花王でグリセリン、プロピレングリコール、メチルパラベン、そしてゼリーが薄青色となる着色剤が成分となっています。

当院で使用するものには含まれておりませんが、アルコールに弱い方や皮膚が弱い方などはアルコールや界面活性剤が含まれているエコーゼリーだとかぶれ・接触性皮膚炎を起こすことがあります。

ちなみにプローべにつけるものはゼリーの他、羊水検査等で用いられるイソジン®︎クリームの塗布でも超音波検査が可能です。

お腹の中に腸管ガスが溜まっていると超音波が減衰してしまい、体内の観察したい位置まで届かなくなってしまいます。また超音波は深部へ行く程反射してくる超音波が弱まり、暗く描出されてしまうので、体格がよい方がエコーが見えにくいのはそのためです。

また、ゼリーにはプローブのすべりをスムーズにする働きもあります。当日エコー検査の際には、ゼリーが洋服についてしまうこともあるため、おなかを出しやすい服装が良いでしょう。

院長執筆