NIPTの普及が進んでもNT計測は必要

当院で今冬からの運用開始予定のNIPTですが、妊娠11〜13週に行うNT計測は引き続き行います。

NT肥厚は21トリソミーを疑うソフトマーカーの一種ではありますが、NT肥厚は染色体異常のほか、以下の児の異常の可能性があります。

NTの肥厚と関連する児の異常(染色体異常以外)

・先天性心疾患

・臍帯ヘルニア

・羊膜索症候群

・横隔膜ヘルニア

・尿路閉塞

ダンディーウォーカー

・骨系統疾患

アキネジア症候群

・貧血

・感染症

・代謝性疾患

・単一遺伝子病

どうでしょう、かなり多岐にわたる疾患が関連してますよね。

NIPTが普及しても、現時点で日本では3つのトリソミーの有無を検出しているにすぎません。今後NTを含めた超音波所見を見なくてよい、とはならないのです。

上記らの児の異常がNT計測で全てわかる、というわけではありません。しかしながらNT肥厚が見つかれば、今後さらに注意して児の異常がないか診ていくきっかけになるのは間違いありません。

執筆 院長