「お産の時に会陰切開してほしくないな」と思っているみなさんへ

こんにちは、副院長の石田です。

お産が近づいてくると気になることの一つに会陰切開があります。会陰切開が分娩時に行われることがある、ということ自体は初産婦の方でも多くが知っているものの、実際に「切る」と想像すると不安や恐怖を感じてしまう人もいるでしょう。そこで本日は、会陰切開をどう考え、どのように向き合っていけばよいのかについて一緒に考えていきたいと思います。

会陰切開とはなんなのか

会陰切開とは、赤ちゃんが産道を通りやすくするために会陰部(腟と肛門の間)をハサミで切開する医療手技のことを指します。経腟分娩を経験する女性のうち、会陰切開の有無にかかわらず実際にはおよそ90%前後の方に何らかの会陰裂傷が生じるといわれていますが、切れ方によっては複雑に広がり治りにくくなるケースもあるため、自然に裂けてしまうよりも重症化しにくい方向へ誘導したり、後で縫合しやすいきれいな傷を作る目的であらかじめ会陰切開を行うことがあります 1)。また、母体や赤ちゃんの状態が悪化し分娩を急ぐ必要がある場合、あるいは吸引分娩・鉗子分娩など補助的な器具を使用する場面でも、安全性を高めるために会陰切開が必要となることがあります。切開を入れるタイミングは、赤ちゃんの頭が降りてきて出そうになる直前で行われるのが一般的です。

会陰切開の実際

いや、会陰切開が医療的に大切な処置なのは知っているんだと。それは分かるんだけどハサミでお股を切るなんて想像するだけで怖いから、できればそんなことしないで欲しいんだよってみなさん思っていることでしょう。そんなお母さんたちにここからは私の超主観的なアンサーになるんですけど、自分はお産前から会陰切開のことなんてあまり気にしなくてよいと考えています。というのも、前提として赤ちゃんが生まれる直前は陣痛もさることながら、腟と会陰も赤ちゃんの頭にゴリゴリ押し広げられてとても痛いんですよ。そんな中で「会陰切開すれば赤ちゃんがすぐ出てくる」「これでお産にしましょう」って伝えて「やらないで!」って断られたことは1回も無いです。というか、なんなら喰い気味に「いいから早く切って!!」って怒られたことは数えきれないほどあります。そのぐらいお産の瞬間って大変なんですよね。もちろん無痛分娩なら切開やその後の縫合も痛くないので気にする必要はないでしょう。会陰切開のリアルな現場はそんな感じなので、お産前からそれを気にし過ぎるよりはもっと分娩中の過ごし方とか楽しいことを考えた方が建設的なのかなというのが私の意見でした。

まとめ

ということで本日は会陰切開について少しお話ししました。たまに会陰切開を入れなければ縫わなくて済むと誤解されている妊婦さんもいらっしゃるのですが、お股を3kg近い赤ちゃんが通過するわけですから、上記の通り会陰切開の有無に関わらずほとんどのお産で大なり小なり切れます。そしてそもそも我々産婦人科医としても、切らなくて済むなら切りたくないんですよ。切らずに裂傷なしでお産になればそれで仕事が終わる上に、患者さんからは(何もやってないのに)名医的な雰囲気ですごく感謝されることが多いからです。それでも時にはお母さんの会陰を深刻なダメージから、そして赤ちゃんの健康を重大なリスクから守るためには躊躇なく行わなければなりません。もちろんその時の声掛けなどを打ち合わせるために当院のバースプランにも会陰切開の項目がありますが、とは言え妊婦さんたちはあまりそこに固執することなく、楽しく分娩に臨んでいただければと思います。

参考文献
1) Nicola Adanna Okeahialam, et al. Am J Obstet Gynecol. 2024 Mar;230(3S):S991-S1004.

家系図の様式

家系図では両親・子ども・孫などを記載します。

表現型による性別から男性は「□」、女性は「○」、性別不明は「◇」で示し、年齢を性別記号の下に記載します。

原則男性は女性の左に記載し、世代ごとに同様の配置とします。同胞(兄弟姉妹)は出生順に左から右に記載します。

配偶者および同胞の関係は横線で結びます。世代や個人は縦線で示します。近親婚・血族婚(いとこ婚など)の場合は、配偶者間を二重線で結びます。

離婚は配偶者の関係線を途中で「//」で区切ります。

胎児は性別に相当する記号の中(性別不明は「◇」)に「P」と書き込み、在胎週数を性別記号の下に記載します。また染色体数が判明していれば在胎週数の下に記載します。

*罹患胎児の場合、性別記号(「□」, 「○」, 「◇」)を黒で塗りつぶします。

分娩にいたらなかった妊娠(自然流産、子宮外妊娠、中絶)は「△」で示し、妊娠中絶の場合は記号右上より左下に斜線を引きます。

出生後、死亡に至った場合は記号の右上より左下に斜線を引き、死亡年齢を「d.」として記号下に記載します(例: d. 1982, d. 43, d. 4 mo)。

例えば、罹患胎児の自然流産だった場合は「△」を黒で塗りつぶし在胎週数を下に記載します。POC染色体分析で染色体が判明していればさらに下に記載します。

相談者(クライエント)は性別記号左下に「↗︎」を記します。罹患者だった場合は性別記号を黒に塗りつぶします。

発端者(最初に当該家系における遺伝的問題に気づく契機となった人[罹患者])は性別記号下に「P↗︎」を記載します。発端者は罹患者であるので記号は常に黒く塗りつぶされています。

執筆 院長