子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種が終了します。

こんにちは、副院長の石田です。

子宮頸がんワクチンは文字通り子宮頸がんを予防するワクチンです。正確には子宮頸がんの原因となるパピローマウイルスへの感染を防ぐことにより間接的に子宮頸がんが発生しないようにしています。2007年に人への接種を開始して以来、今では100カ国以上で定期接種となり、積極的に打ち続けた国では子宮頸がんの発生率が90%も低下しているようです。また、このワクチンは子宮頸がんだけでなく肛門がん、外陰がん(腟、陰茎など)、中咽頭がんや尖圭コンジローマという性病も予防してくれるため、男性にとっても有益なワクチンとなっています。我が家も先日中学生になった長男に接種を開始しました。

日本では社会的に副反応への懸念が高まった影響から永らく接種控えが起こっていましたが、2022年から積極勧奨が再開しました。それに伴い対象者であったにも関わらず接種機会を逃してしまった可能性がある平成9〜19年度生まれの女性にキャッチアップ接種として無料でのワクチン提供が行われていますが、この制度が2025年3月で終了します。ワクチンは3回打ち終わるのに半年かかるので、対象者は9月までに打ち始めないと接種に最大で7万5千円〜10万円程度の自己負担が発生してしまいます。もちろんキャッチアップ接種の期間が終わっても自費で打つことは可能ですが、ご希望の方はこの期間内に打ち終えられるよう早めのご予約をお勧めします。

最近では15〜39歳を指してAYA (Adolescent & Young Adult) 世代と呼びますが、この世代の女性がかかる悪性腫瘍で最も多いものの一つが子宮頸がんとされています。若くして大きな病気にかかるのはとても大変なことですが、一方で子宮頸がんは「予防」と「定期検診による早期発見」の両方が可能な珍しい疾患です。まだお済みでない方は、是非この機会に接種をご検討ください。