家族歴はどこまで把握しておくべきか

今後お産まれるお子さんが病気や疾患を持っていないか心配、親となるカップルにとっては当然の思いです。

ではご家族の背景はどこまで知っておくとよいのか。

3度近親者までの家族歴を知っておくとよい

第1度近親者:両親、きょうだい、子ども

第2度近親者:祖父母、おじ、おば、甥、姪

第3度近親者:いとこ

出生前検査における遺伝カウンセリングでは、可能であれば上記血縁関係者の病歴等を把握しておくとよいでしょう。

家族歴を聴取することで遺伝形式の検討が可能となる

特にメンデルの法則に基づいた家系が関わる単一遺伝子病は、家族歴を把握することで遺伝形式の検討が可能となります。

  1. 常染色体優性遺伝:50%の可能性で次の世代で伝達する。よって患者の飛び越し現象はない。
  2. 常染色体劣性遺伝:親が保因者同士の子孫が罹患する。よって兄弟姉妹の中に複数の患者が存在する。
  3. X連鎖性性遺伝:男性が罹患する。罹患男性の娘はすべて保因者となる。保因者女性が母親になった時、その男児の半分が罹患し、半分の女児が保因者となる

出生児のうち4%に先天性疾患をもち、先天性疾患の中の20%は単一遺伝子病とされています。

執筆 院長