りんご病(伝染性紅斑)は、飛沫感染か汚染した手の接触感染で伝播します。
成人に感染した場合、約25%は無症状(不顕性感染)であり、また症状があっても感冒様症状とその後の関節痛のみで特徴的症状が見られない場合があります。
お子さんがりんご病と診断された時、妊婦さんの管理
①B19IgG抗体を測定する
伝染性紅斑は一度かかった後は終生免疫を獲得するとされており、
まずはIgG抗体の有無を採血で確認します。IgG陽性であれば過去に感染しており、胎児に影響はないと考えてよいでしょう。
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②B19IgM抗体は感染後10日以降から上昇する
りんご病のお子さんから感染した場合、感染後10日頃よりIgM抗体が上昇します。したがってIgM抗体が陽性であった場合、「伝染性紅斑に感染した」と判断します。
③不顕性感染でも胎児感染を生じる可能性がある
不顕性感染とは、感染が成立していながら症状を示さない感染様式のことを言います。B19IgM抗体が陽性となった時、特に症状がなくても超音波検査で胎児の状態を妊婦健診以外でもチェックする必要があります。チェック項目としては胎児水腫の出現や胎児貧血の判断です。胎児貧血を確認するには胎児中大脳動脈の収縮期血流速度(MCA-PSV)を測定します。値のおおよその目安として、妊娠週数×2以上の値となる場合は、中等度以上の胎児貧血が疑われます。
執筆 院長