正期産とは

おはようございます。この度、私院長と副院長の石田による、ブログを開設することになりました。

当院の妊婦さんや患者さんは、大変勉強熱心な方が多いです。妊娠が判明しお渡しする当院のテキストや、顧問(先代院長)の本を熟読されて妊婦健診に望まれています。両親学級も皆さん真剣に受講されており、大変ありがたいことです。

医療を提供する側として、少しでも皆さまのお役にたちたいと常に考えています。テキストや両親学級、もちろん外来や入院時でのアドバイスのほか、新たな情報提供の場として今回ブログを立ち上げることになりました。

当院の価値観として、『エビデンスに基いた、親身ある産婦人科医療とサービスを提供する』をかかげております。

インターネットでわからない事があれば簡単に検索できる時代です。ただし、その情報はどのくらい正確でしょうか。このブログでは、そのような不安や心配を解消するツールの一つになることができれば、と考えています。

さて、初回のブログは、『正期産』に関わる定義についてご説明します。

赤ちゃん(児)は分娩予定日ちょうどに必ずしも産まれるわけではありません。そうだとしたら、何週から何週までの間に 産まれるのでしょうか。また産まれるのが望ましいのでしょうか。

妊娠37週から41週までの出産を正期産となります。妊婦さんはこの辺りでの出産が多く、分娩の約90%は正期産といわれています。

妊娠36週までの出産を早産、妊娠42週以降の妊娠状態を過期妊娠といいます。

早産では児の未熟性が、過期妊娠では児の健康状態が問題となります。妊娠42週以降は児に関わる罹病率が高くなるので、妊娠41週中になるべく出産したほうが安全だと考え、私は外来で、その時期になると皆さまへ誘発分娩を進言させていただく場合があります。1)

一方、妊娠35〜36週の早産児の生命予後は正期産児のそれと比べて変わらないことが判っています。もちろん、その後未熟性がないか出産後、慎重に診てまいります。

1)産婦人科診療ガイドライン 産科編2017