産科を受診して確認された妊娠において、例えば20歳代では10%が、また40歳代では40%が統計学的上流産となっています。今回は流産の頻度と染色体異常について触れていきます。
妊娠が判明する前に妊娠が終了している方が流産に比べ多い
規則正しく月経がある女性100人が1ヶ月間避妊をせず夫婦生活を続けたとき、そのうち84人が受精します。ところが7日後に受精卵が着床するのは67人で、17個(20%)は着床前に到達しません。その後月経の遅れを自覚する人は38人で、産科を受診し臨床検査で妊娠と診断される人は30人です。
つまり、受精した84人のうち54人(64%)が産科で妊娠を知らされる前に妊娠が終了しているのです。妊娠がわかった後に妊娠12週以前に3人ほどが早期流産します。妊娠12週以降の流産はごくわずかです。このように、妊娠が判明する前に多くの妊娠が終了しているのです。
相当な数の染色体異常が自然淘汰されている
精子には10〜15%程度、卵子には20〜25%程度の染色体異常があることがわかっています。また受精卵の段階で30〜45%に染色体異常が存在するのです。
染色体異常の受精卵は着床障害を起こしやすく、着床できた卵の染色体異常率は約25%にまで低下します。
さらに妊娠反応陽性となり、超音波検査で胎嚢がみられる前の段階で化学的流産を除くと、胎嚢を認める段階での染色体異常率は約10〜15%にまで減少します。
その後妊娠初期の流産が起こったり、子宮内胎児死亡などを除くと最終的に出産に至る児の染色体異常の割合は0.4%とされています。

つまり、かなりの数の染色体異常が出生前に自然淘汰されているのです。
執筆 院長
参考)染色体疾患をもつ児の胎内淘汰率
21トリソミー:77%
18トリソミー:94%
13トリソミー:96%
45,X(モノソミー):99%
三倍体:99.8%
