配偶者と緊急連絡先

『配偶者』とは、法律上婚姻関係にある夫や妻を指します。

婚姻届を提出した夫婦のみが法的な「配偶者」です。

婚姻届を出した法的な夫婦が該当し、離婚するとその地位は失われます。税法や社会保険上では配偶者控除などの対象となり、内縁関係や同性パートナーは社会保険などで『配偶者』と扱われる場合があります。

内縁・事実婚

税法上は含まれないが、保険や企業の手当では配偶者とみなされる場合があります。控除対象配偶者となるには、生計を共にしている要件が必要となります。

成年

民法が定めている成年年齢は、「一人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があります。成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになるということです。日本は2022年4月1日から成年年齢が18歳に変わりました。

また、女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられ、結婚できるのは男女ともに18歳以上となりました。

人工妊娠中絶の同意

原則、本人と配偶者二人の同意が必要です。

この『配偶者』には、正式な婚姻関係にあるもののほか、実質的に夫婦と同様の関係にある「事実婚」も含まれます。

[令和7年度 埼玉県医師会の母体保護法指定医師研修会で確認済み]

ただし、人工妊娠中絶の同意をめぐる問題によく挙げられる

・夫以外の男性が相手

・夫の強い反対

・夫のDV

・性暴力被害

・本人あるいは相手が未成年

らについては適宜状況を確認し、個別に対応をさせてもらいます。

当院での分娩・処置に関わる同意と緊急時の連絡先について

・未成年の産婦については産婦の親からの同意を得てもらいます。当院としては通常のお産では親一人の立ち会いが可能です。

・同性婚については、当院としては通常のお産ではパートナーシップ制度の利用に関わらずLDR室での立ち会いを許可しています。ただし緊急時は産婦の親に連絡をさせてもらう場合があります。

パートナーシップ制度を利用されていれば内縁・事実婚同様に当院としては緊急時の帝王切開も立ち会いを許可しています。

執筆 院長

赤ちゃんの性別と迷信

こんにちは、副院長の石田です。

これまでもこのブログで何回か話題にしてきましたが、赤ちゃんの性別は妊婦さんとそのご家族が最も気にしていることの一つです。もちろんほとんどのご家族が男女どちらでも喜んでくださるのは別として、どっちの性別なのかを考えるのは純粋に楽しいですよね。
さて、現代では超音波検査で妊娠中から簡単に性別が分かりますが、そうなったのは人類の歴史で考えるとつい最近のことで、昔は本当に生まれてくるまで分かりませんでした。そんな中で赤ちゃんの性別を推測するべく様々な迷信が誕生したわけですが、今でもその一部は妊娠初期に性別を推測するために使われることがあります。そこで本日は世界各地に伝わる様々な迷信をご紹介したいと思います。

母親の変化から予測する方法

欧米を中心として「胎児の性別は母親の体質に影響する」という考え方があるようです。例えば妊娠後の好みの変化で言うと、しょっぱい・酸っぱい食べ物を好きになる場合は男の子、甘いものを好むようになる場合は女の子だと推測されます。また、赤ちゃんが女の子の場合は母親の美しさを盗むため、妊婦の肌がニキビなどで荒れるとも言われます。その他、妊婦の下半身が冷えるようになったら男の子だけど温かくなるなら女の子、妊婦の体がお腹を中心に大きくなる場合は男の子だけど、顔やお尻まで大きくなる場合は女の子などの言い伝えもあります。

暦で推測する方法

有名なのは700年前の中国で作られたものです。非常にシンプルな表で、妊婦の年齢と妊娠した月(旧暦)の組み合わせからどちらの性別を妊娠したかが一目で分かります 1)。同様に女性の年齢と妊娠した月をマヤ文明でも性別の推測に使用していたようですが、こちらはもっと簡単です。妊娠した時の年齢と妊娠した月(例えば5月なら“5”)をみて、両方とも奇数もしくは偶数なら女の子、片方が奇数でもう片方が偶数なら男の子が生まれてくると考えられていました。

自分でできる性別占い

指輪に紐を通して横になった妊婦のお腹の上で吊るし、静止させます。しばらく待つと吊るされた指輪が勝手に動き始めますが、その揺れが直線的なら男の子、円を描くように回るなら女の子というダウジングのような判定法は世界中で試されており、YouTubeでも”ring test”としてたくさん動画が出ています。そのほか、妊婦がニンニクを食べた後に体がニンニク臭くなったら男の子、においがつかなければ女の子というガーリックテストや、2脚の椅子の下にそれぞれフォークとスプーンを妊婦に見られないように隠し、妊婦が座った椅子がフォークなら男の子、スプーンなら女の子という占いもあります。また、紫キャベツを茹でて色がついた茹で汁に妊婦の尿を混ぜて、ピンクか赤色に変色すれば男の子、紫色のままなら女の子という「科学的な雰囲気出してるけど、それって胎児の性別というよりは尿のpHを見てるだけなんじゃないっすか?」とツッコみたくなる紫キャベツテストなんてのもあります。

まとめ

本日は超音波に頼らない胎児の性別判定についてご案内しました。ちなみにこれらの方法には当然科学的根拠が無いため、やるとしてもあまり期待せず、飽くまで楽しむ程度にしていただけると幸いです。ちなみに私が以前ミャンマーで働いていた時に、現地の人から「男性の睾丸が右の方が大きければ男の子、左の方が大きければ女の子が最初の子の性別です」と言われたことがありましたが、半信半疑でそこにいた子持ち男性4人に確認したところ、精度100%で合ってました。ご参考までに。

参考文献
1) https://www.benri.jp/calendar/umiwake

アリナミンVは妊婦さんも飲用可

つわりは妊娠初期の悪心・嘔吐症状があり、半数以上の妊婦さんにみられます。

ある程度飲食が可能なら、点滴までいかずとも栄養ドリンクに頼ってみるのも一手かもしれません。例えば、『アリナミンV』は妊婦さんも飲用可能です。実はアリナミンは商品名で点滴に添加する注射用製剤もあり、医療スタッフもよく見聞きするものです。

アリナミン®︎の一般名は『プロスルチアミン』で、適応として『ビタミンB1欠乏症の予防』があります。体重減少、脱水などを呈する妊娠悪阻において、また電解質異常を伴っていればアリナミンを妊娠初期に補充するのは理にかなっています。

当院ではつわり・悪阻に対する点滴にメタボリン®︎を添加しています。これはチアミン塩化物でビタミンB1製剤となり、プロスルチアミンと同様のビタミンB1・B1誘導体です。

コンビニエンスストアやドラッグストアで売っているこのような栄養ドリンクを選ぶポイントとしては、成分表とともに[効能・効果]を確認してください。「妊婦授乳期または産前産後等の栄養補給」と表記されていれば選んで飲用可能です。一方、商品名が似ていてもカフェインが高濃度に含まれている物は妊婦さんにとって好ましくない物もあるので注意してください。

アリナミンVの他、妊娠中に飲用可能な栄養ドリンク

執筆 院長

男性にも更年期障害があるってご存知ですか?

こんにちは、副院長の石田です。

当院では普段から更年期障害を心配している女性が多く受診されます。女性の更年期というと、ホットフラッシュや発汗といった血管運動障害だったりイライラ、ウツウツなどの精神症状が一般的によく知られていますが、実は似たようなことが男性にも起こるのをご存知でしょうか?実際、少子高齢化が加速度的に進む日本では一つの社会課題としても認識されており、昨年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針 2025(骨太方針2025)にも小さく明記されています 1)。そこで本日は、当院の患者さんたちに直接関係はないんだけど、男性の更年期について少し解説してみたいと思います。

男性更年期障害とは

医学的には「加齢男性性腺機能障害」や、英語の”late-onset hypogonadism”の頭文字をとって「LOH症候群」と呼ばれたりします。男性ホルモンはそのほとんどが精巣で作られ、認知機能や性欲、筋肉量、排尿機能などを増加させます。思春期から20歳頃までに急激に分泌量が増加し、その後加齢とともにゆるやかに減少していくのですが、それとともに代謝や活動性、性欲などが減少して、いわゆる「男性更年期」と呼ばれる状態になるのです。実際の症状としてはほてりや倦怠感、イライラ、ウツウツ、性欲低下などが代表的です。診断は症状があることを前提ですが、血液検査では総テストステロンが250ng/dL未満、遊離テストステロンが7.5pg/ml未満が基準となります 2)。ただし注意点として、一般的にテストステロンは日内リズムがあるとされていて朝にピークとなるため、午前7〜10時頃の採血が推奨されます 3)。(ただし、高齢男性では日内変動が鈍化していることから、あまり気にしなくてもよいのではないかという議論もあります 4)5)。)

男性更年期の治療

必要に応じて女性と同様、ホルモン補充療法が選択されることがあります。男性ホルモンの注射やクリームを自分で塗ったりしますが、心不全や前立腺がんなどがある場合は使うことができません。また、日本では漢方を使うこともありますが、使われる薬は女性医学の三大漢方と呼ばれる当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸をはじめとして、いわゆる女性の更年期障害で使用されるものと興味深いことにかなり共通します。そのほか薬に頼らない方法としては、これまた女性と同様で質の良い睡眠、適度な運動、バランスの良い食事といった“丁寧な暮らし“が勧められています。

まとめ

本日は男性更年期障害について簡単に解説してみました。このブログを読んでくださっている女性の皆様におかれましては、「私、いよいよ更年期かしら…。」と思ったら少し周りを見渡してみましょう。意外と男性も同様に苦しんでいるかもしれませんよ。でもさすがに婦人科で男性更年期障害の診療をするのはちょっと違うかもなので、お悩みの男性はお近くの泌尿器科か内科にご相談ください。

参考文献
1) 経済財政運営と改革の基本方針 2025について
2) 日本泌尿器科学会/日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き
3) Ezgi Caliskan Guzelce, et al. Best Pract Res Clin Endoclinol Metab. 2022 Jul;36(4):101683.
4) N Long, et al. J Fam Pract. 2015 Jul;64(7):418–419.
5) E David Crawford, et al. Curr Med Res Opin. 2015;31(10):1911-4.

出生後の赤ちゃんとビタミンD

こんにちは、副院長の石田です。

出産したことがあるお母さんたちはご存知だと思いますが、生まれたばかりの赤ちゃんはしばらくの間ビタミンKのシロップを週一で投与します。これは赤ちゃんの脳出血を予防するための処置ですが、最近はこれに加えてビタミンDも投与しようという流れがあります。実はこれ、海外だと結構前からやられてたりするんですが、一体どういうことなのでしょうか?ということで本日は生まれたばかりの赤ちゃんとビタミンDについて解説したいと思います。

ビタミンDとは

骨の健康を支える栄養素として重要なのがビタミンDです。ビタミンDは腸でのカルシウム吸収を促進し、血中カルシウム濃度を一定に保つ働きを通じて骨の形成や維持に重要な役割を果たしています。カルシウムそのものを十分に摂取していても、ビタミンDが不足していると骨の健康は保たれにくくなるんですね。ビタミンDの大きな特徴は、他の多くのビタミンとは異なり、紫外線を浴びることで皮膚で合成される点にあります。つまり、ビタミンDは「食べ物から摂る栄養素」であると同時に「日光によって体内で作られる栄養素」でもあるのです。食事からもビタミンDを補うことは可能ですが、実は効率的に摂取できる食材は一部の魚やきのこ類などごく限られているため、日常的な食事だけで十分量を確保することは簡単ではありません。このような背景から、ビタミンDの主要な供給源は日光であると言えます。適度に日光を浴びる生活習慣は、骨の健康を守るうえで栄養バランスと同じくらい大切な要素なのです。

最近の日本人はビタミンDが不足がち問題

近年、乳児におけるビタミンD欠乏が新たな健康課題として注目されています。その背景として、外で遊ぶ機会の減少や、日焼けを過度に避ける不適切なUV対策などの生活習慣の変化により、日光を浴びる時間が著しく減っていることが考えられています。乳児に必要なビタミンD摂取量の目安は、適度な日照を受けていることを前提に1日あたり5μgとされています。一方で、母乳栄養は乳児にとって最良の栄養方法とされるものの、母乳に含まれるビタミンD量は決して多くありません。母乳中のビタミンD含有量は、およそ0.3μg/100mLと少ないことが知られています。さらに重要なのは、母乳中のビタミンD量が母親の体内のビタミンD量に影響される点です。近年、成人女性においても日照不足や生活習慣の変化により、ビタミンDが不足しがちな人が増えています。このような状況では、母乳に含まれるビタミンD量が想定されている目安よりもさらに少なくなる可能性が示唆されています。

ビタミンDのシロップについて

そんな現代っ子たちの問題を解消すべく、国際的なガイドラインでは1歳までの乳児に対して1日10μgのビタミンDサプリメント摂取が推奨されています。それを踏まえて昨年には、日本小児科学会からも「日本の子供達にもビタミンD投与した方がいいんじゃない?」という提言が出されました 1)。日本でも子供達のビタミンD不足や、それに伴うくる病という骨が柔らかくなったり曲がったりする病気が増えているとされており、これらのことから今後ビタミンDサプリの使用が海外のように普及していくことが予想されます。

まとめ

本日は子供達のビタミンD欠乏についてお話ししました。そのほか世界保健機関(WHO)によると、北緯(南緯)37度以上に居住している場合も秋から春にかけての日照時間の関係でビタミンDが不足するリスクがあるそうです 2)。日本で言うと北関東以北が該当しますね。
さて、今後ビタミンDシロップの使用が広まったとしても、やはり大切なのは適度に日光を浴びることです。真夏の昼間の直射日光に我が子を曝す必要はないかもですが、一方で極端に日焼けを恐れるのはかえって体に良くないです。是非かかりつけの小児科の先生とも相談しながら、お日様との良いお付き合いを心がけてみてください。

参考文献
1) 日本小児科学会. 日本小児学会雑誌. 129巻3号:494〜496(2025)
2) World Health Organization. Vitamin D Supplementation for Infants.