妊娠分娩に関わる言葉の定義

本日のブログは私院長が妊娠分娩に関わる言葉の定義を一部ご紹介します。

産婦

産婦とは「分娩期にある女性」のことをいいます。

また、

妊婦とは「妊娠期にある、いわゆる妊娠中の女性」を、

褥婦とは「分娩後、分娩後の影響がまだ認められる女性」のことをいいます。

『妊産婦』とは母子保健法の第六条(用語の定義)に「妊娠中又は出産後一年以内の女子」と定義されています。

褥婦としての産褥期間が産婦人科学では通常6〜8週間ととらえる1)のに対し、母子保健法では産後1年までなんですね。メディアの方々はニュースなどで情報を発信される際に是非とも知っていただきたい定義です。

また、

初産婦とは「妊娠22週以降の分娩を初めて経験する産婦」、

経産婦とは「既に妊娠22週以降の分娩を経験したことのある産婦」

をいいます。

5回以上分娩したことがある方は「多産婦」とよばれます。

妊娠22週という区切りは現在のところ、出産して児の治療が可能な最小週数を示しており、以下定義に続く「周産期」や、人工妊娠中絶の適応でも関連します。

周産期(Perinatal period)

WHOによる医学分類リストであるICD-10では「妊娠22週に始まり出生後7日未満で終わる」と定義され、日本でもこれを採用しています。

妊娠、分娩回数の数え方

1)妊娠回数の数え方

現妊娠を妊娠回数に加えます。

例えば、1度お産を経験された経産婦さんが新たに妊娠しました。この場合「2妊1産」または「G2P1」と表現されます。

Gは”Gravida”または”Gravidity”、

Pは”Para”または”Parity”の略です。

2)分娩回数の数え方

妊娠22週に達した後に娩出したものを分娩回数に算入します。

3)多胎における妊娠、分娩回数の数え方

多胎は双胎(双子)であれ品胎(三つ子)であれ、妊娠回数は1、分娩回数も1とします。

例えば、1度お産を経験されたのが双胎妊娠で、その経産婦さんが新たに妊娠したとします。この場合も「2妊1産」または「G2P1」となるのです。

参考文献

1) 産科婦人科用語集・用語解説集 改定第4版