血圧測定法と高血圧の定義

「外来だといつもより血圧が高い」、そんな声を度々耳にしますので、今回は血圧の測定方法と高血圧の定義に触れようと思います。

血圧測定法

5分以上の安静後、上腕に巻いたカフが心臓の高さにあることを確認し、座位で1〜2分間隔にて2回血圧を測定し、その平均値をとります。通常院内にある自動血圧計は、計測機の高さや測り方はそのまま指示どおり行ってください。

測定の30分以内はカフェインや喫煙は控えましょう

・初回の測定時には左右の上腕で測定し、10mmHg以上異なる場合は高い数値を採用します。もちろん何かしらの合併症を見落とさないためです。

定義①高血圧とは収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHgです。この数値は妊婦も一般成人も同様です。

定義②:妊娠時に高血圧を認めた場合、妊娠高血圧症候群と定義されます1)。

妊娠高血圧症候群は

・妊娠高血圧腎症

・加重型妊娠高血圧腎症

・妊娠高血圧

・高血圧合併妊娠

に分類されます。各詳細はまた今後のブログでお話させていただきます。

健診において高血圧(140/90mmHg以上)を認めた場合

・家庭でも血圧測定を行ってもらい、白衣高血圧との鑑別を行います。

・家庭血圧でも135/85mmHg以上の場合はやはり高血圧を疑います。

*白衣高血圧と判断された場合でも、妊婦さんは注意が必要です。その後約40%の妊婦さんが妊娠高血圧を発症したとの文献もあるのです2)。

文責 院長

引用文献

1) 妊娠高血圧症候群の診療指針2021. メジカルビュー社

2) Brown MA, et al: The natural history of white coat hypertension during pregnancy. BJOG 2005

産婦人科ファーストタッチ. じほう, 2022