オーバートリアージを許容できる診療体制

患者さんが急変したと思った時、第一印象で重症かどうかを判断するのは緊張下のなか大変な事です。

救急医療や災害医療では、アンダートリアージ(重症患者を「軽症」と誤判定すること)が患者の生命予後に与える影響が大きいため、ある程度のオーバートリアージは許容されます。これは妊婦の蘇生を含めた周産期救急にもあてはまります。

災害下の患者重症度を判定するトリアージでは、オーバートリアージ率はある程度高いのです。例えば米国の救急医療ではオーバートリアージ率30〜50%を許容し、一方アンダートリアージ率を5%未満に抑えることが目標とされています。

以上、オーバートリアージを許容できる周産期救急における診療体制は産婦さんにとっても大切となりますが、チーム医療としてこの体制を構築できるかが重要です。

オーバートリアージを許容できる条件

・チームスタッフが緊急の状態に対するアルゴリズムを理解している。学習し知識を得て、事前にシミュレーションを繰り返し行なっておくべきです。これらが浅はかだと、何でもオーバートリアージを行なってしまい本来の意義を見失ってしまいます。

・結果オーバートリアージであったとしても、判断したスタッフに過失を求めない。

・オーバートリアージを受け入れるマインドを持っていること。これは前術のアルゴリズムがスタッフに浸透すればする程深まると考えています。

オーバートリアージを許容できる診療体制とは、

重症患者の見逃しを防ぐため、多少の過大評価による資源と気持ちの余剰を受け入れられるだけの人員・設備・教育を備えた診療体制なのです。

執筆 院長