昨冬から導入した無痛カクテルにより、局所麻酔薬単独に比べ「麻酔の片効き」は圧倒的に減りました。その点では麻酔の質として産婦さんの満足度は上がっています。
麻酔の片効きの他要因として硬膜外カテーテル先端の留置位置があります。
硬膜外カテーテルは、黄靱帯と硬膜の間にある『硬膜外腔』に留置されます。カテーテルを入れる外針が、腰椎に対して正中に入ればカテーテルの先端の迷入のリスクは少なくなります。
もう少し詳細に述べると外針が皮膚、靱帯を正中かつ垂直に貫き硬膜外腔に達するのが理想です。しかしながら胸椎と腰椎はまっすぐな構造ではなく、また棘突起(椎体から出っ張る様に付いている骨)間は斜めなので、外針が真っ直ぐ入れる事が難しい場合もあるのです。
カテーテルを挿入し先端が腹側の硬膜外腔に位置してしまうと、正中の柱状構造や怒張した静脈叢により局所麻酔薬が反対側へ浸潤しにくくなり、麻酔の片効きとなります。解決策として、カテーテルを引き戻して正中の位置へ矯正されれば麻酔の片効きを解消できる可能性があります。

執筆 院長
