こんにちは、副院長の石田です。
経腟分娩の際には90%前後の女性で会陰裂傷ができることが知られています。もちろん傷の大きさや深さは人それぞれですが、いずれにしても産後はその痛みと付き合わなくてはなりません。痛みは時間とともにどんどん良くなっていくのが一般的ですが、当院では少しでも早く回復できるように産後の入院中にシッツバスをご提供しています。そこで本日はこのシッツバスについてご紹介させていただこうと思います。
シッツバスとは
シッツバスは暖かいお湯を溜めた浅いタブにお尻から腰を浸からせる入浴のような療法です。筋肉の緊張を取り、血行を改善することで会陰部の創傷治癒を促進し、痛みを改善する効果があるとされています。19世紀に欧米で始まったとされるこの治療は、現在でも分娩後の会陰裂傷以外だと、痔などに対して用いられることがあります。シッツバスは必ずしも有効性を示すエビデンスが豊富にあるわけではありませんが、会陰のむくみを取ることで創部の緊張が軽減されて、楽に過ごせるようになる人が多い印象です。
当院のシッツバス
当院ではシッツバス専用のタブを使用して、15分間のメニューとして産後にご提供しています。お湯は40℃を基本としていますが、それぞれの女性が気持ち良いと感じる温度に適宜調整可能です。(ちなみにお湯よりも水の方が痛みの改善効果があったという、少し古い文献もありました 1)。)シッツバスだけでも上記の効果が期待できますが、当院では筋肉の緊張をほぐし、消毒・殺菌作用があり、傷の治癒を促進する効果があるとされるラベンダーとサイプレスのエッセンシャルオイルもお湯に加えています。ちなみににしじまクリニックで使用しているエッセンシャルオイルは、少しでも皆さんの体に良いものをとの想いから、世界で最も権威のあるECOCERTのオーガニック認証を取得したフランスのvie arome社のものを取り寄せています。なお、一度使用した機材は次亜塩素酸を含む複数の洗剤で全て入念に洗浄した後、5分間の強換気を行うことで、皆さんに安全に使っていただけるよう配慮しています。
まとめ
本日は当院で産後にご提供しているシッツバスについて解説しました。日本では一般的に「入浴解禁は1ヶ月健診が終わってから」という風潮があるためご心配になる方もいらっしゃるかもですが、当院の患者さんたちがシッツバスにより子宮内感染を起こしたことは一度もありませんし、最近になって成育医療センターのチームから「産後の入浴って制限しなくてもよくない?」という内容のデータも発表されているため安心して楽しんでいただきたいと思っています 2)。にしじまクリニックでは他にも、お産で消耗した体の回復を促進するための様々なアロマテラピーを取り揃えておりますので、もっと詳しく知りたいという方は是非スタッフにお声掛けください。
参考文献
1) D Ramler, et al. J Obstet Gynecol Neonatal Nurs. 1986 Nov-Dec;15(6):471-4.
2) Rinko Ibi, et al. Int J Gynaecol Obstet. 2026 Feb 24.
