NTとは
NTとは”Nuchal translucency”の略で、妊娠初期の胎児矢状面でみえる後頸部透亮像のことです。
簡単に申し上げると、
妊娠11〜13週あたりに、赤ちゃんの頭から胸の部分をエコーで縦切りの像を写し出して、その像での”赤ちゃんの首のむくみ”をさします。
(上の写真もご参照ください)
なぜNTを測るのか
通常でもNTは確認できます。しかし一定基準を超えるNTの厚さは赤ちゃんの染色体異常、特にトリソミーの可能性が考えられるのです。
NTの計測時期
先程の記載どおり、NTの計測は妊娠11〜13週(児の頭殿長が45〜84mmの時)に行います。
妊娠14週を超えると赤ちゃんの大きさに対するNTの基準値が定まっていなかったり、NTはいわゆる”むくみ”なので次第に消失してしまうこともあるので計測としては不正確となります。
にしじまクリニックでは妊娠12, 13週の妊婦健診にNTを計測することになりました(先の初期検査時期にNTを見つけて計測する場合もあります。赤ちゃんの大きさにかかわらず、NTが3.5mmを超える場合は他の染色体異常のマーカーの計測や妊娠初期の胎児心臓スクリーニングを周産期センターへ依頼するためです。)。これは単にトリソミーに対する出生前診断のマーカーとしてみているだけでなく、もう一つの頸部浮腫である嚢胞性ヒグローマ(Cystic hygloma)の有無を確認します。
執筆 院長