赤ちゃん(新生児)は、妊娠37~41週の間に生まれる「正期産児」として出生し、かつ出生時体重が2500g以上4000g以下の場合に最も予後がよいとされます。早産児(妊娠37週未満)や低出生体重児は、正期産児に比べて赤ちゃんの死亡率が高く、過期産児(妊娠42週以上)もまた死亡率が高いことが分かっています。
「早産した未熟児の予後は、正期産児よりもよくなさそうだ」というのは、ほとんどの人が分かることだと思います。しかし「妊娠42週以上の過期妊娠で生まれた過期産児も予後がよくない」ということを知らない妊婦さんは大勢います。
「予定日超過妊娠」という言葉があります。出産予定日を過ぎると、胎盤の機能が衰えてくるために、胎内にいる赤ちゃんの状態が悪化してくることがあるのです。妊娠42週を過ぎると、胎盤機能が著しく低下します。したがって、予定日を過ぎてもなかなか産まれない場合には、分娩を誘発したほうがよい場合もあるのですが、「1日でもお腹の中にいたほうが赤ちゃんにとって好ましい」と誤解している人が多数います。自然に任せていると産まれそうもない場合には、担当の先生から「そろそろ産みましょう」と言われることがあります。その場合にはそのアドバイスにぜひ従ってください。
赤ちゃんは胎内に居たほうが安全か、それとも生まれた(胎外に出た)ほうが安全なのかを調べた報告があります。出生した児が1週未満(●)あるいは4週未満(▲)で死亡する確率と胎児が1週未満(○)あるいは4週未満(△)で死産する確率を妊娠週数ごとに出したものです。これによると、妊娠の早期には赤ちゃんは胎内にいたほうが、胎外に出てしまう(=早産する)よりも安全です。

妊娠が進むにつれてその差がどんどんなくなっていき、赤ちゃんの死亡率は妊娠39週で最低になります。その後は胎内・胎外どちらも同程度で危険率は上昇し、胎内・胎外の危険の逆転は妊娠42週で起こります。すなわち42週以降ではむしろ胎内のほうが危険になります。この結果から、妊娠39週頃に産むのが最も安全であることが分かります。
予定日を過ぎたら、「子宮の中に1日でも長くいたほうがいい」という考えは捨ててください。
執筆 顧問
