風疹は、ウイルスによる感染症です。
風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症で、飛沫感染後、2〜3週後の潜伏期を経て発熱、発疹、耳介後部リンパ節腫脹の主要症状が現れます。
風疹ウイルスはトガウイルス(Togavirus)科に属する直径60〜70nmのRNAウイルスです。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの直径は約100nmなので、風疹ウイルスはそれらより小さいウイルスです。小さいウイルスのため、マスク着用でも風疹の感染を完全に予防できるわけではありません。
ヒトに感染性のあるエンベロープRNAウイルスとしては風疹のほか、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスがあります。
風疹に対する免疫がない集団において、1人の風疹患者から5~7人に風疹をうつす強い感染力があります。よって胎児感染、先天性風疹症候群の発生を起こさないためにも妊婦さんは自身の風疹抗体価を有している事、また風疹の感染予防に努める事が大事です。
風疹の予防には予防接種が最も有効ですが、いわゆる生ワクチンのため、妊婦さんは風疹ワクチン接種は受けることができません。産後の風疹ワクチン接種は可能です。
風疹の免疫が不十分な妊婦さんが妊娠20週頃までに風疹にかかると、眼や心臓、耳などに障害をもつ赤ちゃんが産まれてくる可能性があります。これを先天性風疹症候群と言います。
妊婦さんの風疹初感染において、先天性風疹症候群は妊娠8週までに約50%、妊娠12週までに約40%、妊娠16週までに約30%、妊娠20週まででは数%起こるといわれています。
風疹の免疫を持っているかどうかは採血による風疹抗体価を測ります。妊娠初期検査で行われます。風疹抗体価が16倍以下の場合は風疹の免疫が十分ではありません。その場合特に妊娠20週までにおいて外出をする際には可能な限り人混みを避けましょう。またパートナーが風疹抗体価があるかを確認し、風疹抗体価が16倍以下であれば、パートナーは風疹ワクチンの接種を検討するとよいでしょう。
院長執筆
参考文献;
Rubella (German Measles, Three-Day Measles). CDC
胎児診断・管理のABC(第6版). 金芳堂
